静岡県 川勝知事が来校

静岡県知事の川勝平太氏とドローンについて話すフリークスガレージ代表の中村

フリークスガレージ代表 中村(以下 中村):
フリークスガレージ南伊豆校のグラウンドで、今はラジコンカーを練習しています。これから日本では、地上での遠隔操作もすごく重要になってきます。地上での遠隔操縦も練習もしながら、同時にドローンでの撮影練習もしています。
今奥にいる生徒たちは、この小学校の塔屋をドローンで点検しています。塔みたいなところをぐるっと点検しています。

静岡県 川勝平太知事(以下 川勝知事):
景色のいいところで技術を磨けるって素晴らしいですね。海もあるし。

中村:
はい。今日も生徒が名古屋とか、山口県からも来てます。こういう現場を一回体験することによって、ドローンの技術の必要性を感じていただける。それで来てもらっている。

川勝知事:
空・海・陸、全部できる。

中村:
そうですね

川勝知事:
かなり技術高いですね、今操縦されている方。

中村:
いや まだまだです。全然まだまだです。絶対にドローンでの仕事中は事故を起こしちゃいけませんので。

災害時にドローンを
活用するための訓練とは?

静岡県の川勝知事と災害時のドローン活用について話す中村

中村:
以前、静岡県の熱海で土石流の災害があり、ドローンを使った点検・調査が行われました。建物に取り残された方たちを発見するのに、泥で人が行けないわけです。それを(ドローンを)飛ばして、中を全部点検するという。
フリークスガレージの南伊豆校では、ドローンの点検や調査の訓練ができるようにしています。ついたてを全部かわして、行って、また帰ってくる。そういう練習をやっています。(送信機の)画面を見ながらドローンを飛ばします。こういう操縦は、日頃から訓練しておかないと、本番ではできません。

川勝知事:
デブリをね、福島の(原発事故の)。あれを取り出すのに。

中村:
実はそれ用の機体もあるんですよ。

川勝知事との談話で分かった
本当に必要なドローン免許(資格)

川勝知事に、自分たちが日本で初めてドローンを開発したことを話す中村

中村:
もう50年以上、趣味と仕事でラジコンをやっています。「マルチコプター」(ドローン)を日本で開発するときにもいました。(ドローンは)私たちが日本で作った、日本生まれなんですね。

川勝知事:
(ドローンは)世界が注目している。一級・二級とかね、きちんとした等級を決めておかないと、いざ災害のときに(ドローンを活用できない)。それなりの資格を持っている方が操縦することが重要。

中村:
埼玉県の秩父で土砂災害があったときの話です。フリークスガレージは毎年、土砂災害があると(ドローンで)調査と測量とかを全部やっています。去年は消防とか警察もいらっしゃったんですね。(最初に彼らが)飛ばすはずだったんですけど、結局、消防や警察の方が(現場は)渓谷なので、余りにも難しくて、結局1cmも飛ばさずに帰られた。

国のレベルがそれなんですよ。人を救いに来ているはずの消防・警察が、まったくドローンを飛ばさずに帰っちゃった。これが秩父だけじゃなく、全国で今起きていることです。

やはり国全体の(ドローン操縦の)レベルを上げていかないといけない。何か災害があっても現場で飛ばせるパイロットがいない。

川勝知事:
まずここで(フリークスガレージで)。
フリークスはどういう意味ですか?

中村:
フリークスというのは……変なやつらって意味です(笑)。

川勝知事:
変な奴らが、奇人・変人がが大事なんですよ。こういう形で(ドローンの)訓練校ができたので、デファクトになるように。数十年の実績がございますので、それに基づいて技術を教えられたらいい。

それから空中や陸上、水中とそれぞれ専門的にできる。そういうカリキュラムをしっかり作っていただいて。それで ここで試験して、試験に受かった人がインストラクターとして(活躍する)。インストラクターも級があって。とにかく操縦士を増やしていく。体系的に。ぜひこちらを訓練場にして。夏は(海で)遊べるし、食べ物は美味しいし、楽しみながら(学べる)。

中村:
(ドローンなら)密漁の見回りもできます。あとは山の風車。風力発電の点検とか。ドローンを操縦できれば、町の方たちも地元で仕事ができるんですよ。東京ではできないんですね。ここだからできる仕事がいっぱいある。地元の方たちも(町を)離れずに仕事ができる。

大型ドローンで物資輸送を行う

川勝知事:
(ドローン物資輸送時の)最大重量は?

中村:
フリークスガレージでは90kg運べます。人間も運べます。

川勝知事:
90キロ! それはすごい。いや、それはすごい。50キロぐらいの方を乗せたとして、子どもを助けて、(合わせても)90kg弱。

中村:
(ドローン)物資輸送の仕事での裏話があります。物資を運んだ先の集落のおばあちゃんが、「何か(災害が)あったら私を運びに来てね」と(笑)。

川勝知事:
ドローンは本当に技術ですから。やはり操縦する方と技術開発して。そういうものが早急にあった方がいい。カリキュラムを暫定的に作って、国が関与してですね。こちらの実体験に基づいて、カリキュラムを作っていただいて。どんどん改良されていくと思いますが、まず最初にそれを作ることで小さく生んで大きく育てる。静岡県であれば、いつでもうちを利用していただければ。岡部町長も入学させて(笑)。

静岡県賀茂郡南伊豆町でのドローン活用について話す、岡部町長

南伊豆 岡部町長(以下 岡部町長):
砂防堰堤は山に登って点検しなきゃならない。砂防堰堤の土砂の上で、ドローンを使って解析していると道路から確認できる。そういうことで、職員を対象にした講習会を。

川勝知事:
職員だね、まず。

岡部町長:
うちの職員もそうですけど、講習に行ってドローンを飛ばすんですよ。でも 講習のときに飛ばすだけで、ここ最近、何か月以内に飛ばしたのかというと飛ばしていない。じゃあ災害が起きたときに飛ばせるかというと、ペーパードライバーと一緒で、どうやって飛ばしていいか(分からない)。その状況に合わせられない。
(フリークスガレージに)各自治体ですとか、企業さんの担当者が来て、数日間、講習をする。

川勝知事:
まずそういう形で地元からつくっていって。

中村:
実際、秩父で砂防の点検もやっています。現場を見に来て頂いてもいいですしね。