ドローンについて「知っていないと恥ずかしいこと」を、その道15年のプロがやさしく解説。講座では、以下のことをお話しています。「そもそもドローンってなに?」「UAVのいいところと活用事例」「昔のRC空撮」「今のRC空撮」「ドローン(マルチコプター)の種類」「操縦モード」「法律と規制」「安全はすべてに優先」。

そもそもドローンってなに?

ドローンって?

・直訳=オスバチ
・ドローンは通称(非公開の軍事用語だった)
・遠隔操作ができる無人航空機※
・ヘリコプター、固定翼飛行機、飛行船、マルチコプターの総称

→ 正しい表現:無人航空機=UAV(Unmanned Aerial Vehicle)
→ ふだん私たちがドローンと言っているのは「マルチコプター」のこと

※無人航空機とは、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上、人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるもの(機体の重量とバッテリーの重量の合計が200g未満のものを除く)」のこと。

マルチコプターって?

マルチコプター(Multicopter)とは、2つ以上のローター(羽)が付いた回転翼を、放射状に配置した形の回転翼航空機(かいてんよくこうくうき)のこと。

ドローンのいいところと活用事例

ドローンのいいところは?

・大型重機などを使わなくても、安定して高いところの撮影ができるようになった → コスト削減
・今まで撮影できなかった場所で撮影できるようになった → 映像革命
・人が行けない場所の映像を、遠くからでも見られるようになった → 業務効率UP

ドローンはどんなところで
使われているの?

・メディア空撮(報道番組、バラエティー番組、スポーツ実況)
・その他空撮(プロモーションビデオ制作、観光地案内、不動産、記念撮影など)
・遠隔地監視(点検、監視、調査など)
・農業活用
・宅配システムでの活用(Amazonなど)
・人命救助活動(AED、自動運搬)

将来のドローンの展開予想

・セキュリティー利用(自動追尾システムを搭載)
・定点観測の拡大(自然環境など)

昔のラジコン空撮

昔は、1モーター・2ローターのRC(ラジオコントロール)ヘリコプターで空撮をしていた

例:
RC空撮機 ALGIN T-REX 800E DFC TREKKER
 Payload ・・・・・5kg
 積載総重量 ・・・約10kg
 飛行時間 ・・・・約6分
 バッテリー ・・・Lipo(リチュームポリマー)6S 5000mA
 積載カメラ ・・・Canon 5D

今のラジコン空撮

今は、みなさんがよく知るかたちの「マルチコプター」での空撮が主流

ドローン(マルチコプター)の種類

羽が3枚のトライコプター
羽が3枚のトライコプター

羽が4枚のクアッドコプター
羽が4枚のクアッドコプター

羽が6枚のヘキサコプター
羽が6枚のヘキサコプター

羽が8枚のオクトコプター
羽が8枚のオクトコプター

操縦モード

主な操縦モードに、「モード1」と「モード2」がある
車で例えると、「右ハンドル」か「左ハンドル」かの違い

モード1

モード1の詳細

・日本では「モード1」が主流
・日本のプロの多くは「モード1」で操縦している
・細かい操作が可能

モード2

・私はあまりオススメしない(細かい操作がしにくいため)
・海外製品のドローン(マルチコプター)に多い
・「モード1」に慣れたパイロットは、「モード2」ではうまく飛ばせない

法律と規制

(1)無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について

画像の(A)~(C)の空域のように、航空機の航行の安全に影響をおよぼす恐れのある空域や、落下した場合に地上の人などに危害をおよぼす恐れが高い空域において、無人航空機を飛行させる場合には、あらかじめ国土交通省の許可を受ける必要がある。

(2)無人航空機の飛行の方法

飛行させる場所に関わらず、無人航空機を飛行させる場合
①日中(日の出から日没まで)に飛行させること
②目視(直接肉眼による)範囲内で、無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
③人(第三者)または物件(第三者の建物や自動車など)との間に、30m以上の距離を保って飛行させること
④祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
⑤爆発物など危険物を輸送しないこと
⑥無人航空機から物を落下しないこと

⑦アルコールおよび薬物などの影響下で飛行させないこと
⑧飛行前確認を行うこと
⑨航空機または他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
⑩他人に迷惑をおよぼすような方法で飛行させないこと

上記のルールによらずに無人航空機を飛行させようとする場合には、あらかじめ国土交通省の承認を受ける必要がある

捜索または救助のための特例について

 前記の(1)および(2)の飛行ルールについては、事故や災害時に、国や地方公共団体、また、これらの者の依頼を受けた者が捜索または救助を行うために無人航空機を飛行させる場合については、適用されないこととなっている。

安全はすべてに優先

「無人航空機」に分類される「マルチコプター」は、購入や操縦に特別な免許も必要なく、誰でも手に入れられるため、気軽に飛ばしてもよさそうに思うかもしれません。しかし、法的な制約をしっかり理解したうえで飛ばさなければなりません。

現在、空での作業、とくに空撮が脚光を浴びていますが、見通しの悪いところや人のいる場所、その他危険のあるところでは飛ばさないよう注意してください。周囲に充分注意して、無理な操縦はしないようにするなどのマナーをしっかり守りましょう。とくにカメラを備えたモデルでは、周囲のプライバシーなどにも配慮が必要なことは言うまでもありません。

「マルチコプター」は、まだ発展途上にあるとお考えください。今度、さらに機体の改良や法令の整備、モラルの向上が進むものと考えられます。

安全は、すべてに優先することを忘れずに。